絶対に効かないという治療法はない
アンドルー・ワイル博士という、統合医学の象徴のような医者がいます。
彼は、30年以上も前に「人はなぜ治るのか」(日本教文社)という名著を出しています。
その本の中で、ワイル博士は、自分はいろいろな治療法を調べ研究し体験したが、「奇々怪々で、どれがいいのか悪いのか、当惑するばかりだ」と書いています。
そして、彼はこう言うのです。
「絶対に効かないという治療法はない」
どんな治療法にも可能性は秘められています。
「何か方法はあるはずだ」と希望を持って治療法を探してください。
「ただし」と、彼は続けます。
「絶対に効くという治療法もない」
私は、この話は病気の治療だけでなく、
健康法でも長生きの方法でも、
もっと分野を広げれば、ビジネスで成功するとか、運気を高めるとか、恋愛が成就するとか、子育て法、人づきあいなどにも当てはまるものだと思います。
どんなに単純で稚拙(ちせつ)な方法であっても、うまくいく可能性は必ずあります。
しかし、ある人がこの方法でうまくいったからといって、
あるいは理論的にもしっかりと構築された説得力のある方法であっても、
それがだれに対しても絶対にうまくいく方法なのかというと、残念ながらそうはいかないというのが、この世の真理なのではないでしょうか。
『いつでも死ねる』幻冬舎